魚の鮮度について

1.水産物の「腐敗」について

 

『魚の鮮度が落ちるスピードは非常に速い』

 

魚の鮮度は、魚の美味しさに大きく影響を与えます。魚は牛肉や豚肉などの

 

畜肉と比べて鮮度が落ちるスピードが早いものです。

 


【理由としては】

 

1.魚体の水分量が多い

 

2.魚の肉質が弱い

 

3.自己消化酵素の作用が大きい

 

4.内臓やエラが付いているため腐敗しやすい

 

などが主な理由です。

 

業種や魚体の大きさなどにより腐敗までの時間は違うのですが、

 

以下に水産物が腐敗するまでの基本的な過程を記載します。

 

 

 

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『魚の自己消化』


魚は死後、筋肉の硬直が始まります。硬直する速さ,時間は周囲の温度や

 

状況に影響されますが、通常は数時間死後硬直状態が続きます。

 

やがて死後硬直が解ける(解硬)として体液がにじみ出てきます。

 

その時、体液に含まれている酵素類は魚のタンパク質や脂質を分解していきます。

 

この状態を魚の自己消化と言います。

 

ここまでが魚自身による反応です。

 

 

 

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2.鮮魚の安定提供への取り組み

 

『安心・安全な鮮魚の安定提供への取り組み』

 

食品の産地偽装や製造年月日の偽装表示など、近年消費者の食に対する

 

信頼は非常に低下しております。

 

最近では消費者に安心・安全で信頼できる水産物を提供するために、産地市場や

 

水産加工場、さらに販売に至る各過程において、食に関する信頼を回復するために

 

自主的に様々な取組みが全国的に行われています。

 

先進的な産地市場、水産加工場では「HACCP」や「ISO22000認証」を取得するなど、

 

徹底した衛生管理が行われています。また、法規制などにより魚介類販売では、

 

水揚げした場所で直接販売する場合等を除いて、魚の「名称」や「原産地」、冷凍物を

 

解凍した場合には「解凍」、養殖物は「養殖」の表示がJAS法により義務付けられています。

 

さらに、パック詰めされる商品については、食品衛生法に基づき、「消費期限」「保存方法」

 

「製造業者等の名称及び住所等」が明示されています。


しかし上記のような先進的な取り組みをしている団体、企業などが取り扱う魚介類すべてが、

 

高い評価を得ているかと言うとそうではないのが実情です。

 

 

 

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3.美味しさの決め手は『鮮度』

 

『水産物の美味しさは「鮮度」で決まります』

 

一般的に水産物は安全性や美味しさの決め手となるのが「鮮度」です。

 

消費地や消費市場では、魚介類の「鮮度」が取引評価の基準になるケースが

 

ほとんどです。消費市場へ出荷された時点で既に鮮度低下がみられる場合には、

 

水産物に対して厳しく「鮮度管理」「品質管理」を徹底的に行われていたとしても

 

「安全で信頼できる水産物の供給」の実現は不可能です。

 

安心・安全で信頼できる水産物の供給システムは、漁獲から消費市場に出荷する

 

までの水産物の鮮度管理が一番重要な過程と言えます。

 

鮮魚をより安心・安全で信頼できる水産物として消費者に提供するには、鮮度保持に

 

対する「生産者」「産地市場」「企業」「団体」など取り組みが十分留意する必要があります。

 

地域や業界全体で前述のような取り組みを行い、さらには水産物の高鮮度を保持し

 

消費地に安定供給することで、鮮魚の「付加価値の向上」「ブランド化」が進むことで

 

企業や産地の高い評価につながるはずです。

 

 

 

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 3-1魚の美味しさ

 

『魚の美味しさ』

 

魚のうまみ成分はグルタミン酸とイノシン酸です。グルタミン酸はタンパクから、

 

イノシン酸は筋肉に含まれるエネルギーの素となるATP※(アデノシン三リン酸)という

 

物質から生成されます。イノシン酸は、ATPが多いほど多く生成されるため、ATPが

 

多いほど美味しいと言うことになります。

 

魚を釣り上げてその場で活き〆にして、〆た魚を直後に食べる場合は、身はコリコリして

 

独特の歯ごたえがありますが、味はほとんどありません。理由はタンパク質がまだ分解されて

 

いないためです。また、死んだ直後の魚はアルカリ性で、やがて乳酸を発生させて酸性に

 

なります。通常酸性の食べ物のほうが美味しいと感じるので、しばらく時間を置くことで

 

魚の最高の「うまみ」が味わえます。

 

※ATP;魚の筋肉の中にはエネルギー源として「アデノシン三リン酸(ATP)」という物質のこと

 

 

 

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「魚の一番美味しい時は?」

 

魚が一番美味しいのは死後硬直が始まって終わるまでの間とされ、死後硬直の時間は

 

魚によって異なります。一般的にタラ、サバやイワシなどの青魚は鮮度が落ちるまでの

 

時間が短く、タイ、ヒラメやカレイなどの底もの魚は鮮度が落ちるまでの時間が長くなっており、

 

刺身としておいしく食べられる期間は、氷蔵で保存した場合、タラ(数時間)、サバ、カツオ(2日)、

 

ブリ(6日)、マダイ(12日)程度とされています。

 

 

 

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 3-2魚の鮮度を表す指標

 

『魚の鮮度を表す指標』とは?

新鮮の良い魚を購入しようとするときは、魚の目やエラ、魚体のハリ


などを見て判断します。
一般的には、目の色が澄み、エラの色は鮮やか、

 

体全体の色艶が良く、鱗が剥がれていない魚は、高鮮度と判断されます。


逆に、目には血が混じり、エラは暗褐色で、鱗が剥がれ落ちた魚は、


鮮度が悪いということになります。

 

 

 

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 3-3鮮度を数値化した「K値」

 

『鮮度を数値化した「K値」』

 

「K値」とは?

 

魚の鮮度を上記のように見た目ではなく、数値で表わす場合によく

 

用いられるのが「K値」です。

 

魚は死亡すると、魚自身が持っている酵素によって、体内のたんぱく質などが

 

どんどん分解されていきます。

 

鮮度はこの分解が進むほど悪くなっていきます。

 

この過程を簡単に説明します

 

図1酵素分解の過程

K値図解1

 

 

魚の筋肉の中にはエネルギー源として「アデノシン三リン酸(ATP)」という物質があり、これが

 

図1のように「イノシン(HXR)」や「ヒポキサンチン(HX)」に分解され、蓄積されていきます。

 

なお、図中の「イノシン酸(IMP)」は後述するように、「うまみ」を増強する成分のひとつです。



「K値」は図1のように計算され、「%」で表されます。鮮度は「K値」が小さいほど良く、大きくなるほど

 

悪いと言えます。 

 

 

 

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 3-4「K値」による鮮度評価

 

『K値による鮮度評価』

 

鮮魚売場に並ぶ魚介類には、「刺身用」や「加熱用」などの表示が付けられている

 

ことがあります。

 

「刺身用」であれば高鮮度、「加熱用」であれば「刺身用」に比べると少し鮮度が

 

低下していることを意味します。


この「刺身用」「加熱用」という基準を「K値」で表すと、表1のようになります。

 

K値指数 鮮度の目安

 


「K値」が20%以下であれば「刺身用」、20〜50%の範囲で「加熱用」、60%以上になると

 

腐敗となり、食用としては不適となります。

 

「加熱用」は20〜50%と広範囲となっていますが、より「K値」が小さい方が良好です。

 

 

 

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4.色々な魚介類の鮮度

 

『色々な魚介類の鮮度』

 

魚介類の鮮度低下は、時間の経過とともに進行しますが、その速度は魚介類によって

 

異なります。

 

図2は魚種ごとに氷蔵した場合の鮮度低下を「K値」によって表したものです。

 

 

図2さまざまな魚介類のK値の変化

魚種ごとのK値

 

上記図2を見ると、一概に水産物と言っても魚種によりK値や氷蔵日数が大きく異なります。

 

マダラやスケトウダラなどタラ類の鮮度低下は速く、氷蔵2〜3日間で「K値」が60%となって

 

しまいます。

 

一方、クロダイやマダイなどタイ類の鮮度低下は遅く、特にマダイは氷蔵16日間であっても

 

「K値」は40%未満となっています。底曳網の重要種であるズワイガニの鮮度は、氷蔵5日間頃から

 

急速に低下し、約8日間で「K値」が60%を超えます。

 

なお、魚介類の鮮度低下の速度は、同じ魚種であっても漁法や〆方、また保管温度によっても

 

異なります。

 

 

 

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